書評:朽木誠一郎『健康を食い物にするメディアたち』

書名

朽木誠一郎『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』 ディスカヴァー・トゥエンティワン、2018

評価 

★★★☆☆

言われてみればたしかに、な内容。

本書により提唱される内容は私にとっては目新しくない(なんとなくやっていた)が、それを一般へ広める功績は評価すべきと思うい。

動機・読む経緯

同著者『医療記者のダイエット』が秀逸だったので読んでみる。彼の本分は本著作のほう。

内容

WELQ問題を発端として、真に健康に役立つ情報でなく経済的合理性(カネになるかどうか)が優先された記事が氾濫した状況にどう対応するかを述べている。

医者だからといって無条件に崇め奉ることができない現実を指摘し、我々が見る目を養い防衛するしかないことを憂う。そして具体的対応方法として「ネットの情報を鵜呑みにするな」からもう一歩踏み込んだ「5W2H」の確認を提唱する。 

所感

ソースに対する「5W2H」の確認、これは一般市民にもできる有用な対策と思う。

医療とメディアという二足のわらじ?を履く著者だからこそ書けた内容(著者自身も言っている)。2つの分野に専攻を持つことの有用性が現れた例としても面白いと思う。